2009/04/06

リーダーシップ vs マネジメント (4)

WBCでは原を原監督が個性ある一流選手達をチームとして機能するよううまく導いたと思う。ドラマチックなでき過ぎたシナリオに日本も韓国国民も春先から大いに盛り上がった。

北京での星野氏は自身のエゴ、目先の金儲けを目論んで動いたように見えたのに対し原監督にはそうした身勝手なエゴは見えなかった。その差がダイレクトにチームとしてのまとまりの差となって表れた。結果論だから余計そう思えるのかもしれないがチームの雰囲気も最初から違っていたように見えた。北京では星野氏だけやけにエゴ・テンションがあがり選手達は最初から白けたムードが漂っていた。星野氏の熱血漢ぶりはファン受けするが個人エゴからのくさい演技だとわかってくると・・・

では、原監督と星野氏では野球の視点でどちらが戦略的か?野球の監督には勝つこと・優勝に導くことが任されている。一年間という長丁場で戦うのであるから戦略的に考えられるかどうかは毎試合の采配能力とともに監督としての重要な資質である。原監督と星野氏では戦略面での優劣はつけ難い。ただ、エゴが優先するリーダーには人はついては行かない。戦略はあっても実行の障害なる。「この組織に未来がないな」と感じるからである。

では ビジネスの視点でMLBとJPBのどちらが戦略的か?

それは明らかにMLBだ。WBCはMLBの戦略ツール。有体に言えばWBCはMLBの未来の戦力獲得と金儲けの手段である。JPBはうまく乗せられているのである。もちろんそれに気づいていても日本や韓国のファンがこれだけ盛り上がればいいじゃやなかと、この不景気な時に元気をもらったことだし・・・というところか。

戦略的に考えるというのは未来を考えることである。MLBは戦略的視点に立っているのに対しJPBは目先の勝利しか考えていないのである。このちょっとした考え方の違いが先での大きな結果の差になるのである。他国での盛り上がりはMLBの描くシナリオ通りである。つまり、長期的戦略が功を奏し始めているのだ。

日本プロ野球がスタートしてから約75年、JPB機構は組織としてあまり進歩していない。コミッショナーはいつもお飾り、オーナー会議はリーダー不在、毎度グダグダとゴタゴタの繰り返し。最後は鶴の一声で・・・情けないが、それが実態である。 

野球とアメリカンフットボールはどちらが戦略的か?その答えは以下のビデオを見ながら考えてみよう。

野球とアメリカンフットボール:どっちがおもしろいか?
ジョージ・カーリンさん(G1937年5月12日 - 2008年6月22日)は昨年お亡くなりになりました。



戦略マネジメントシステム・NUTSManagement



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