2009/02/03

カッコーの巣の上で・カッコーは巣を作らない(4)

戦略としてのカッコーの子育てはすばらしい。巣作りと子育てを他の鳥に任せ子孫を残してきたのです。巣を作れば蛇や他の動物に狙われるリスクがある、ヨシキリの巣に分散して卵を産みつける方がリスクは少ないと考えたと・・・。巣を作りと餌を雛にやる労力もかからない。

カッコーの親は卵をヨシキリが留守の間に巣に産み落とします。産み落とすと同時にヨシキリの卵を一つ口に銜え外に放り出すのです。子育ては小さなヨシキリの親に任せてしまうのです。ヨシキリはカッコーの卵と知らず孵化した後もせっせとカッコーの子にエサを運ぶことになるのです。

驚くことには産まれたばかりのカッコーの雛が最初にする仕事がヨシキリの卵を背中のくぼみに乗っけて外に落とすことです。何故、目も見えないような小さな雛に何故そんな知恵がありそうした行動がとれるのでしょうか。何故、を追求してもあまり意味の無いことです。すばらしい戦略、「カッコーは巣をつくらない」この事実が戦略の本質です。

 1. 大胆にリスクを取ること → リスク軽減
 2. 毎年 決まったことを実行する → 戦略サイクル
 3. 変化には柔軟に対応する → 変化察知
 4. 雛もこの戦略を熟知した行動がとれる → 継承
 5. 雛もヨシキリの習性をコントロール → 環境コントロール

すべての動物の生態戦略は夫々がユニークです。戦略は生きるための手段、生き残るるための手段だからユニークでなければいかないのです。しかし、一見複雑に見えても実はシンプルです。だから継承できるのです。決められた原則に従い生き残るためにひたすらそれを実行するのです。親子力を合わせて・・・・私たち人間も地球というシステムの中で生活する生物です。カッコーとなんら変わるところはないのです。あなたの会社の戦略はカッコーの戦略より優れていると思いますか?

映画「カッコーの巣の上で」 少し重いラストシーン



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